個人輸入の通関手続きは何日かかる？流れやトラブル回避のポイントを徹底解説

最近では、アメリカやヨーロッパ、韓国、中国など、海外のネットショップで気軽に買い物ができるようになり、「個人輸入」は私たちの日常にも身近な存在になりました。しかし、「注文はしたのに荷物が届かない」「追跡を見ると“税関保留”と表示されている」など、思わぬところで足止めされることもあります。その原因の多くが「通関手続き」に関係しており、ここでどれだけスムーズに進められるかが、荷物到着までの期間を左右します。特に初めて個人輸入をする方にとっては「通関って何？」「何日かかるの？」と不安になることも多いでしょう。この記事では、個人輸入の通関手続きについて、基本から所要日数、遅延の要因や対処法までを、わかりやすく丁寧に解説していきます。

通関手続きとは？個人輸入で必ず通る関門

「通関手続き」とは、海外から日本に商品を持ち込む際に、税関がその内容を確認し、関税や消費税などを課税した上で正式に輸入を許可する手続きのことを指します。これは、商業輸入・個人輸入にかかわらず、すべての貨物に対して適用される制度です。つまり、海外からの荷物は「ただ日本に届くだけ」ではなく、「日本の法律に従った審査」を経て、はじめて受け取れるのです。通関の目的は、危険物や禁止品、模倣品の流入を防ぎ、また正当な税収を確保するためのもの。個人で海外から物を買う場合にも、この通関を避けることはできません。

多くの方は通関というと「難しそう」「自分でやらなければならないのでは」と身構えてしまいがちですが、実際には輸送会社（郵便局、DHL、FedExなど）が代行してくれるのが一般的です。そのため、利用者が何か特別な手続きをしなければならないケースは少ないのですが、通関が滞る原因があると「保留」や「確認待ち」となり、手続きが長引いてしまうことがあります。このようなときには、正しい対応をしないと大幅な遅延につながるため、通関手続きの基本を理解しておくことが重要です。

個人輸入の通関は誰がやってくれるのか？代行に頼る仕組み

個人で海外から商品を購入した場合、通関手続きの大半は配送業者が自動的に代行してくれます。たとえば、EMS（国際スピード郵便）や国際eパケットを利用した場合は、日本郵便が税関とのやりとりを進めますし、DHLやFedExといった国際宅配便も、自社の通関部門がスピーディーに対応してくれます。こうした仕組みのおかげで、多くの人は通関の存在すら意識せずに、海外通販を利用できているのです。

ただし、全てが機械的に処理されるわけではなく、商品によっては中身の詳細や用途を求められる場合があります。たとえば、注文時に商品名が曖昧だったり、送り状の記載が英語の略称のみだったりするケースでは、「この中身は何ですか？」「どういった用途ですか？」という税関からの問い合わせが届くことがあります。このような場合、購入者自身がメールやFAXなどで書類を提出する必要があり、返信が遅れれば遅れるほど、荷物の到着も先送りになってしまうため注意が必要です。

通関にかかる日数はどのくらい？一般的な目安と遅延要因

個人輸入の通関手続きにかかる日数は、条件が整っていれば1日から2日程度が目安です。たとえば、EMSで発送された荷物が東京の税関に届いた場合、早ければその日のうちに通関処理が完了し、翌日には配達に回されます。実際には、空港や税関の混雑状況、商品内容、申告書類の精度などにより前後しますが、スムーズなケースではまさに数日以内に手元に届くでしょう。

一方で、何らかの理由で「保留」扱いになると、手続き完了までに数日から1週間以上かかることがあります。とくに、税関からの問い合わせが発生したにもかかわらず、書類提出や内容確認の返答が遅れてしまうと、そこからさらに日数を要します。また、年末年始や大型セール（ブラックフライデー、クリスマスなど）の直後は通関件数が爆発的に増えるため、通常より時間がかかる傾向があります。

つまり、通関に何日かかるかは一概には言えず、「順調なら1日、問題があれば1週間以上」になる可能性があるということです。通関状況を見ながら、必要に応じて早めに動くことが、到着までの日数を短縮するカギになります。

発送方法ごとの通関スピードの違いを知っておこう

個人輸入の際、どの輸送方法を選ぶかによって、通関のスピードも変わってきます。たとえば、EMS（日本郵便の国際スピード便）やDHL、FedExなどのエクスプレス配送は、航空便で迅速に運ばれ、到着後すぐに税関に回されます。こうしたサービスは通関手続きも自社で代行することが多く、1～2日で完了することがほとんどです。

一方で、国際eパケットのような通常郵便扱い、または「船便」を選択した場合、まず輸送自体に時間がかかります。さらに通関手続きも、エクスプレス便に比べて後回しになることが多く、結果的に通関日数も長くなりがちです。とくに船便は日本に到着してから港での荷降ろし・倉庫保管・通関手続きと、工程が多いため、全体的に時間がかかります。

予算や目的に応じて発送方法を選ぶのは大切ですが、急ぎの荷物であれば、多少送料が高くてもEMSやDHLなどの速達系配送を選ぶことで、通関も含めて日数を大幅に短縮できます。

税関から通知が来たときの正しい対処法

税関からの通知は、突然メールやハガキなどで届くことがあります。文面には「この荷物の内容について確認が必要です」や「インボイスを提出してください」などと書かれており、多くの人は驚いてしまうかもしれません。しかしこれは珍しいことではなく、年々増えている個人輸入の中で、内容確認が必要と判断されたものに対して行われている、ごく一般的な手続きの一環です。

重要なのは、こうした通知に対して「できるだけ早く、正確に」対応することです。たとえば、購入した商品ページのURL、注文確認メールのスクリーンショット、英語で書かれた商品名の日本語訳など、税関担当者が中身を正しく把握できるような書類を、わかりやすく提出するようにしましょう。返信が遅れると、そのまま数日～1週間荷物が保留されてしまうことがあります。

また、連絡先に記載されているFAXやメールアドレスには、記録が残るように送付し、必要であれば「送信済み」のスクリーンショットも残しておくと安心です。きちんと対応すれば、通関は速やかに再開され、荷物は無事に配達へと進みます。

通関で時間がかかるジャンルの代表例と注意点

個人輸入における通関で、特に時間がかかる商品ジャンルがあります。たとえば、化粧品やサプリメントなどは「医薬品等に該当する可能性」があるため、厚生労働省の管轄で制限対象になることがあります。また、食品や飲料、香水、アルコール類なども、それぞれ食品衛生法や酒税法の対象となるため、別途検査や申告が必要になるケースが多いです。

さらに、動物由来の製品（革製品や羽毛、骨製の装飾品など）も検疫対象として慎重に扱われることがあり、商品が本物であるか、輸入許可があるかを確認するために時間を要することがあります。これらの商品を購入する際には、販売ページの情報をよく確認し、「日本に個人輸入できるのか」「通関で止まりやすいものではないか」といった点を事前に調べることが、トラブル回避の大きなポイントになります。

荷物の追跡で通関状況を確認する方法と見方

商品がなかなか届かないときは、まず「追跡番号」を使って現在の状況を確認しましょう。EMSや国際eパケットであれば、日本郵便の追跡サービスから、DHLやFedExであれば各社の公式サイトで、「通関手続中」「通関許可」「税関保留」などのステータスが表示されます。

「通関手続中」の状態が2日以上続いている場合は、税関で内容の確認が必要と判断された可能性があります。この場合、配送業者からの連絡が来ているかメールや郵便を確認しましょう。また、配送業者のカスタマーサービスに問い合わせれば、現在の詳細な状況や対応方法を教えてくれることもあります。

通関の進行状況を把握することで、到着日数の見込みが立てやすくなり、不安を減らすことにもつながります。個人輸入を安心して行うためにも、追跡サービスは必ず活用したいツールのひとつです。

まとめ：通関手続きの正しい理解が個人輸入を成功させるカギ

個人輸入において、通関手続きは避けて通れない重要なステップです。スムーズに進めば1〜2日で完了しますが、書類不備や内容の確認が必要な場合は、数日〜1週間以上の遅延が生じることもあります。商品ジャンルや配送方法、書類の正確さなど、さまざまな要因が通関のスピードに影響を与えます。

そのため、通関にかかる日数は「何日か」と一律には言えませんが、「備え」と「対応力」で大幅に短縮することが可能です。商品内容を正しく伝え、必要な書類を早めに整え、税関からの連絡にも速やかに対応することが、スムーズな個人輸入への第一歩です。

安心して海外通販を楽しむために、通関手続きという“裏側のしくみ”を知っておくことは、とても大きな意味を持ちます。今後の個人輸入ライフに、ぜひこの知識を役立ててみてください。