出産予定日が一日一日と近づき、入院バッグの準備を始めると、「いよいよだ」という実感とともに、言葉にできない緊張感がこみ上げてくるかもしれません。
「リストのものは全部入れたかな?」
「もしもの時に足りないものがあったらどうしよう」
「急に破水したり、陣痛が来たりしたら、パニックにならずに動けるだろうか?」
そんなふうに、ドキドキと不安が入り混じった気持ちになるのは、あなただけではありません。多くのママが同じ道を通り、同じように心を揺らしながらその日を迎えます。
入院準備で本当に大切なのは、旅行のように完璧な荷物を準備することではありません。それよりも「これを持っているから、私は大丈夫」と心から思える、自分だけのお守りを作るような作業です。
この記事では、産院から指定される基本的な持ち物リストに加えて、多くの先輩ママたちが「本当に役に立った」「陣痛の辛い時間を助けてくれた」「これがあったから乗り切れた」と語る、yonka流の必須アイテムと心構えを詳しくご紹介します。荷物と一緒に、たくさんの安心感をバッグに詰め込んでいきましょう。
病院のリスト+α。本当に役に立った「癒やし」アイテム
産褥ショーツ、パジャマ、タオル類など、産院から指定されるリストの準備は進んでいるでしょうか?それらはもちろん必須のアイテムです。ここでは、リストには載っていないことが多いけれど、陣痛の痛みと戦う最中や、慣れない産後の入院生活において、**「ママの心と体を本気で助けてくれる」**お守りのようなアイテムを厳選してご紹介します。
1. ペットボトル用ストローキャップ
これはもはや「お守り」ではなく、**「三種の神器」**の一つと言っても過言ではないほどの必需品です。多くの先輩ママが「これがなかったら死んでいた」と語るほど、その威力は絶大です。
陣痛がピークに達している時や、会陰切開・帝王切開の傷が痛む産後、体を起こして飲み物を飲むという簡単な動作が、信じられないほどの苦痛を伴います。そんな時、寝たままの姿勢で水分補給ができるこのアイテムは、まさに命の水綱です。100円ショップで手に入るもので十分なので、必ずバッグに入れておきましょう。陣痛中にパートナーに「飲み物を飲ませて」と頼む手間も省け、自分のペースで水分を摂れる安心感は計り知れません。
2. 使い捨てカイロまたは温熱シート
陣痛の痛みを和らげる「陣痛逃し」の方法は様々ですが、「温めること」は非常に有効な手段の一つです。特に、腰やお尻のあたり(仙骨部)を温めると、ズーンと重く響くような痛みが少し楽になることがあります。
「夏場の出産だから不要では?」と思うかもしれませんが、病院内は空調が効いていて意外と体が冷えることも。また、産後はホルモンバランスの急激な変化で体温調節がうまくいかず、悪寒を感じることもあります。貼るタイプと貼らないタイプの両方を数枚ずつ忍ばせておくと、いざという時に大きな助けとなります。「レンジでゆたぽん」のようなジェルタイプも便利ですが、病院で温められるか事前に確認が必要です。
3. 「いつもの匂い」がするタオルやアロマ
嗅覚は、人間の記憶や感情にダイレクトに結びつく感覚です。初めての場所である病院で、経験したことのない痛みと長時間戦うのは、心身ともに極度の緊張状態に陥ります。
そんな時、ふと嗅いだ「いつもの匂い」は、脳に「ここは安全な場所だ」と錯覚させ、強張った心と体をふっと緩めてくれます。それは、長年使い慣れたタオルの匂いかもしれませんし、妊娠中に愛用していたハンドクリームやリップクリームの香りかもしれません。アロマスプレーやロールオンアロマなども手軽でおすすめです(ただし、香りが強すぎるものは同室の方への配慮も必要です)。緊張をほぐし、自分を取り戻すための「匂いのお守り」を一つ、ぜひバッグに入れておきましょう。
4. 長めの充電ケーブル(または延長コード)
入院中のベッド周りのコンセントの位置は、枕元から絶妙に遠いことが本当によくあります。産後、思うように動けない体で、家族に連絡を取ったり、助産師さんを呼ぶ前にちょっとしたことを調べたり、生まれたばかりの赤ちゃんの写真を撮ったりと、スマートフォンはまさに生命線となります。
その生命線が、充電のために手を伸ばさないと届かない場所にあるだけで、想像以上のストレスを感じるものです。2〜3メートルほどの長さがある充電ケーブルか、短い延長コードを一つ用意しておくだけで、入院生活の快適度は格段に向上します。これは、地味ながらも非常に重要な「買ってよかった」アイテムの一つです。
意外と忘れがち?退院時のママとベビーの服装
入院中のパジャマや授乳ブラはしっかり準備していても、意外と盲点なのが「退院する時の服」です。入院バッグに入れる際に、忘れずにチェックしておきましょう。
ママの服:「マタニティウェア」が正解
「出産したら、ぺたんこのお腹に戻る」と思っていませんか?実は、産後すぐのお腹は、まだ妊娠6〜7ヶ月くらいの大きさが残っています。大きくなった子宮が元の大きさに戻る(子宮復古)には、数週間かかるのです。
そのため、妊娠前に着ていたスキニーパンツやウエストがタイトなスカートは、まず間違いなく入りません。無理に着ようとすると、傷が痛んだり、気分が悪くなったりすることも。退院時は、入院時に着てきたマタニティ用のワンピースや、ウエストがゴムのゆったりしたパンツなどを用意するのが正解です。体を締め付けず、心も体もリラックスできる服装が最優先です。
ベビーの服:白の肌着+おくるみで十分素敵
「退院の日は、特別なセレモニードレスを着せないとかわいそう?」と悩むママもいますが、全くそんなことはありません。
フリフリの豪華なドレスも素敵ですが、生まれたばかりの赤ちゃんにとっては、着心地が良く、体温調節がしやすい清潔な服が一番です。真っ白な新品の短肌着とコンビ肌着(あるいはツーウェイオール)を着せて、ママがお気に入りの可愛いおくるみで優しく包んであげる。それだけで、赤ちゃんは十分に神々しく、最高の退院スタイルになります。
無理に高価なドレスを買わなくても、ママが「これが一番可愛い」と思えるなら、それが赤ちゃんにとっての正解です。写真映えよりも、赤ちゃんの快適さとママの満足感を大切にしましょう。
荷物と一緒に詰めておきたい「心構え」
バッグのすべての荷物を詰め終え、ジッパーを閉める前に、もう一つだけ、あなたの心の中にそっと詰めておいてほしいものがあります。それは、**「まな板の上の鯉」**になる勇気と覚悟です。
どんなに完璧に準備をしても、お産だけは何が起こるか誰にも分かりません。安産だと思っていたら緊急帝王切開になることも、計画無痛分娩のはずが急に陣痛が来てしまうこともあります。
想定外のことが起きた時、「私の準備不足だったからだ」「あの時こうすれば…」と自分を責める必要は全くありません。そんな時は、「ここからはプロ(助産師さんや医師)の領域だ。私はすべてを委ねよう」と、どーんと構える気持ちが大切です。
荷物に忘れ物があったとしても、大丈夫。病院には売店がありますし、ネット通販は翌日には届きます。何より、パートナーや家族に持ってきてもらうこともできます。一番大切な「あなた自身」と「お腹の赤ちゃん」さえ無事に病院に到着すれば、お産は必ずなんとかなります。だから、あまり神経質になりすぎず、深く息を吸って「なんとかなるさ」と自分に言い聞かせてみてください。
まとめ|準備万端じゃなくても、あなたなら大丈夫
入院バッグは、あなたが「お母さん」になるための、人生で初めての旅支度です。
荷造りをしながら、お腹の赤ちゃんに「もうすぐ会えるね」「一緒に頑張ろうね、ママがついてるからね」と優しく話しかけてあげてください。その言葉と時間は、どんな高価な育児グッズよりも、あなたの心を強くしてくれる何よりの準備になります。
もし忘れ物をしても、それは数年後に笑って話せる素敵な思い出のエピソードになります。どうか、完璧を目指しすぎず、リラックスしてその時を待っていてください。あなたの旅支度が、希望と安心感で満たされることを心から願っています。
よくある質問(Q&A)
Q. 陣痛バッグと入院バッグ、分けたほうがいいですか?
A. 分けておくことを強くおすすめします。「陣痛バッグ(すぐ使うもの)」と「入院バッグ(産後から使うもの)」の2つに分けると、いざという時に非常にスムーズです。分娩室には大きな荷物は持ち込めないことが多いため、陣痛中に必要なものだけをコンパクトな手持ちバッグにまとめましょう。
- 陣痛バッグに入れるもの例: 母子手帳、健康保険証、診察券、印鑑、筆記用具、ペットボトル用ストローキャップ、飲み物、軽食、タオル、スマホと充電器、お守り(アロマなど)
- 入院バッグに入れるもの例: 産褥ショーツ、パジャマ、授乳ブラ、着替え、洗面用具、スキンケア用品、退院時の服(ママ・ベビー)
入院バッグは後からパートナーに持ってきてもらう前提でもOKです。
Q. おやつはどんなものがいいですか?
A. 「噛まずに短時間でエネルギーになるもの」が最適です。陣痛が長引くと体力を激しく消耗しますが、痛みで固形物は喉を通らないことも。ウィダーインゼリーのようなゼリー飲料、小さな一口サイズのチョコレート、ブドウ糖のラムネなどがおすすめです。これらは陣痛の合間にサッと口に入れられ、効率よく糖分を補給できます。
Q. いつから準備を始めるべきですか?
A. 妊娠36週(臨月)に入るまでには、玄関に置いておける状態にしておきましょう。一般的に「正期産」と呼ばれるのは37週以降ですが、切迫早産などで急に入院になる可能性もゼロではありません。妊娠後期(30週頃)に入ったらリストアップを始め、体が比較的楽に動くうちに少しずつバッグに詰め込み、36週を迎える頃には「いざとなったら、このバッグ一つ持って家を出ればOK」という状態にしておくと、心の平穏が保てます。
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