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  3. 何をしても泣き止まない!「魔の3週目」を乗り切るための、自分を責めない知識

何をしても泣き止まない!「魔の3週目」を乗り切るための、自分を責めない知識

2026 1/26
ブログ
2026年1月28日

オムツは替えたばかりでサラサラ。ミルクもたっぷり飲んで満足げだったはず。お部屋の温度だって、大人が快適に感じる温度に調整してある。それなのに、まるでスイッチが入ったかのように突然、赤ちゃんが顔を真っ赤にして泣き叫び始めた。

抱っこをしてゆらゆら揺らしても、背中をトントンしても、優しい声で話しかけても、全く泣き止む気配がない。むしろ、泣き声はどんどん大きくなり、この世の終わりのような悲痛な叫び声をあげている…。

そんな時、ふと心の中に黒い雲のような不安がよぎりませんか?

「私の抱っこの仕方が下手だから泣き止まないのかな?」
「どこか具合が悪いんじゃないかな?」
「私がイライラしているのが伝わってしまったのかな?」
「私、母親失格なのかな…」

終わりの見えないトンネルの中にたった一人で迷い込んだような、孤独で押しつぶされそうな気持ちになりますよね。

でも、ここでまず一番にお伝えしたいことがあります。
その泣きは、あなたの育児のやり方が間違っているからではありません。
あなたの愛情不足でもなければ、あなたのスキル不足でもありません。

それは、多くの赤ちゃんに訪れる、成長過程における「嵐」のような時期なのです。

今日は、出口の見えない暗闇で頑張り続けているママのメンタルを守るために、ぜひ知っておいてほしい「魔の3週目」の正体と、どうしても辛い時に心を救うための「逃げ道」について、詳しくお話しします。

目次

正体は「魔の3週目」や「パープルクライング」

生後3週間頃から始まり、生後2ヶ月頃をピークに激しく泣くこの現象には、実は専門的な名前がついています。これを知るだけでも、「うちの子だけじゃないんだ」と少し肩の荷が下りるはずです。

魔の3週目(The Magic 3rd Week)

「魔の3週目」とは、生後3週目を過ぎたあたりから、赤ちゃんが急に泣く時間が増え、何をしても泣き止まなくなる現象を指します。それまでは比較的おとなしかった赤ちゃんでも、まるで別人のように泣き叫ぶようになることがあります。特に夕方から夜にかけて起こることが多いため、日本では古くから「黄昏泣き(たそがれなき)」とも呼ばれてきました。

夕暮れ時になると決まって泣き出し、夜中まで続くことも珍しくありません。昔の人は「夕方になると寂しくなるから」などと言いましたが、現代医学では、これは赤ちゃんの神経系の発達と深く関係していると考えられています。

パープルクライング(Purple Crying)

この時期特有の泣き方について、アメリカの小児科医ロナルド・バー博士が提唱した「パープルクライング(Purple Crying)」という概念があります。これは病気や異常ではなく、発達段階の一部であることを示す言葉です。「PURPLE」は、その特徴を表す6つの英単語の頭文字をとったものです。

  • P (Peak of crying):泣きのピーク
    生後2週間頃から始まり、生後2ヶ月頃に最も激しくなります。その後、生後3〜5ヶ月頃にかけて徐々に落ち着いていきます。今が一番辛い時期かもしれませんが、必ず終わりが来ます。
  • U (Unexpected):予測不能
    何の前触れもなく突然泣き出し、そして突然泣き止むことがあります。「なぜ?」と理由を探しても見つからないことが多いのが特徴です。
  • R (Resists soothing):なだめられない
    抱っこ、授乳、おむつ替えなど、普段なら効果のあるあやし方をしても、全く泣き止みません。ママとしては無力感を感じやすいポイントですが、これは「そういう時期」なのです。
  • P (Pain-like face):痛そうな顔
    まるでどこかに激痛が走っているかのような、苦悶の表情で泣きます。しかし、実際には体に痛みがあるわけではないケースがほとんどです。
  • L (Long lasting):長く続く
    1回の泣きが30分で終わることもあれば、数時間、時には1日5時間以上続くこともあります。
  • E (Evening):夕方から夜に多い
    午後遅くから夕方、夜にかけて泣くことが多くなります。

この特徴を知っていると、目の前の激しい泣きが「異常事態」ではなく「正常な成長プロセス」の一部だと理解しやすくなります。この激しい泣きは、赤ちゃんの脳や神経が外の世界に適応しようと急激に発達している副作用のようなもの。つまり、**「元気に、順調に成長している証」**なのです。

やっていいこと・やらなくていいこと

理由なき泣きに対して、ママができることは実は限られています。「泣き止ませなきゃ!」と必死になればなるほど、泣き止まない現実に追い詰められ、自分を責めてしまいます。
目標を「泣き止ませること」から**「この嵐のような時間を、どうにかやり過ごすこと」**に変えてみましょう。それだけで、心の持ちようが大きく変わります。

1. 基本的な不快を取り除いたら、あとは「付き合う」だけ

まずは基本のチェックリストを確認しましょう。

  • 授乳は足りているか?
  • オムツは汚れていないか?
  • 室温は暑すぎず寒すぎないか?
  • 服のタグや糸が絡まっていないか?
  • ゲップは出たか?

これらをすべて確認してもまだ泣いているなら、もう「解決」しようとしなくて大丈夫です。「原因」を探す必要もありません。「今はただ、泣きたい気分なんだね」「エネルギーを発散しているんだね」と腹を括りましょう。

バランスボールに乗って弾んでみたり、音楽に合わせてスクワットをしてみたり。あるいは、ただ安全に抱っこして座っているだけでも、あなたは100点満点の対応をしています。泣き止まないのはあなたのせいではありません。

2. 「ホワイトノイズ」に頼る

赤ちゃんは、お腹の中にいた時に聞いていた音(血流の音や心音など)に近い音を聞くと安心すると言われています。これを「ホワイトノイズ」と呼びます。

  • 換気扇の音
  • 掃除機の音
  • テレビの砂嵐の音(今はあまり見かけませんが、アプリなどであります)
  • ドライヤーの音
  • 水の流れる音

最近ではYouTubeなどの動画サイトで「赤ちゃんが泣き止む音」として、これらの音が長時間再生できる動画がたくさん公開されています。また、ビニール袋をガサガサさせる音も、お腹の中の音に似ているとして効果がある場合があります。いろいろな音を試して、我が子のヒット音を探してみるのも一つの手です。

3. おくるみで包む(スワドル)

赤ちゃんは、自分の意思とは関係なく手足がビクッと動いてしまう「モロー反射」によって、自分の動きに驚いて泣いてしまうことがあります。
これを防ぐために効果的なのが「おくるみ(スワドル)」です。

大きめの布やおくるみで、赤ちゃんの手足をギュッと包んであげると、お腹の中にいた時のような適度な圧迫感と安心感を得ることができます。今は、着せるだけでおくるみ効果が得られる専用のグッズ(スワドルアップなど)も販売されています。ただし、股関節脱臼を防ぐため、足の動きを制限しすぎないよう、足元はM字に開けるようにゆとりを持たせて巻くのがポイントです。

限界が来たら「赤ちゃんを置いて逃げる」が正解

これが今回、私が最も強くお伝えしたいことです。
どれだけ可愛い我が子でも、何時間も耳をつんざくような泣き声を聞き続けていると、人間は精神的に追い詰められます。「うるさい!」「いい加減にして!」と怒鳴りたくなったり、クッションを投げつけたくなったり、最悪の場合、手が出てしまいそうになる衝動に駆られることがあります。

これは、あなたが冷たい人間だからではありません。人間の防衛本能として、極度のストレスに対する当たり前の反応なのです。

もし、自分の中に制御できないイライラを感じたら。
今すぐ、赤ちゃんを安全な場所に置いて、その場から離れてください。

緊急避難のステップ

  1. 安全確保
    赤ちゃんをベビーベッドの中、または床に敷いた布団の真ん中に仰向けで置きます。ソファや高い場所は転落の危険があるため絶対に避けましょう。周りに窒息の原因になるようなぬいぐるみやタオルがないことも確認してください。
  2. 物理的に距離を取る
    部屋を出て、ドアを閉めます。赤ちゃんの泣き声が少しでも遠くなる場所に移動します。
  3. 時間を決めてリセット
    スマホのタイマーを「10分」にセットします。
  4. 自分のケアをする
    この10分間は、自分のためだけに使います。
    • ノイズキャンセリングイヤホンで好きな音楽を大音量で聴く
    • 温かいコーヒーやお茶をゆっくり飲む
    • トイレに行く
    • 窓を開けて外の空気を吸う
    • 甘いチョコレートを食べる

「泣いているのに放置するなんて可哀想」「母親失格だ」と思うかもしれません。でも、考えてみてください。
泣いていることよりも、ママが冷静さを失い、突発的な行動に出てしまうことの方が、赤ちゃんにとっては遥かに危険です。

安全な場所であれば、10分や15分泣き続けても、赤ちゃんの命に関わることは絶対にありませんし、心に傷が残ることもありません。まずはママの心拍数を下げて、冷静さを取り戻す。それが、結果として赤ちゃんの命と安全を守るための「最善の行動」なのです。

まとめ|トンネルには必ず出口がある

「魔の3週目」や「黄昏泣き」の渦中にいるときは、この辛さが永遠に続くように感じてしまうものです。明日の夜が来るのが怖いとさえ思うかもしれません。

でも、断言します。この時期は永遠には続きません。

生後3〜4ヶ月になり、首が座って視界が広がり、昼夜の区別がついてくると、嘘のようにピタッと泣き止む日が必ず来ます。「あの頃は大変だったね」と笑って話せる日が、必ずやってきます。

今のあなたに必要なのは、魔法のように泣き止ませるテクニックではありません。
「今はそういう時期だから仕方ない」「成長している証拠だ」と割り切る心と、
「どうしても辛い時は、少し離れてもいい」という自分への許可です。

今日一日、あの激しい泣き声に耐え、赤ちゃんの命を守り抜いたあなたは、それだけで十分に、本当に素晴らしい母親です。
あなたの耳と心を、どうかゆっくり休ませてあげてください。あなたはもう、頑張りすぎるほど頑張っていますから。


よくある質問(Q&A)

Q. 泣かせっぱなしにすると、性格への影響やサイレントベビーになる心配はありませんか?

A. ママが安全確保と冷静さを取り戻すために少し離れる程度では、全く心配ありません。
「サイレントベビー(泣かない赤ちゃん)」への懸念は、食事を与えない、一切抱っこしないといった「長期間にわたる完全な放置(ネグレクト)」が続いた場合の極端なケースの話です。普段愛情を持って接しているママが、トイレに行ったり、心を落ち着けるために10〜20分泣かせておいたりしても、赤ちゃんの人格形成や信頼関係に悪影響が出ることはありません。自分を守ることは、赤ちゃんを守ることです。安心して休息をとってください。

Q. どこか痛いんじゃないかと心配になります。病気との見分け方はありますか?

A. 「泣き止む瞬間」があるかが一つの大きな目安です。
抱っこしたら一瞬でも泣き止む、おもちゃの音やテレビの映像に反応して泣き止む瞬間があるなら、緊急性は低い場合が多いです。
逆に、以下のような場合は注意が必要です。

  • 顔色が悪く(青白い、土気色)、ぐったりしている
  • 38度以上の熱がある
  • 繰り返し嘔吐がある
  • 便に血が混じっている
  • 何をしても一瞬たりとも泣き止まず、火がついたように泣き続け、5分、10分おきに激しく泣く(腸重積の可能性)

いつもと明らかに様子が違う、直感的に「おかしい」と感じる場合は、迷わず小児科を受診するか、**「#8000(こども医療電話相談)」**へ電話して相談しましょう。

Q. アパート住まいで、近所迷惑が気になって焦ってしまいます。

A. ご近所への申し訳なさで、余計にパニックになってしまいますよね。そんな時は**「手紙作戦」**で先手を打ちましょう。
エレベーターや廊下で会った時に挨拶するのはもちろんですが、なかなか会えない場合は、手紙を書いてポストに入れておくのが効果的です。
「〇〇号室の〇〇です。先日子供が生まれました。新生児のため、昼夜問わず泣き声が響いてしまい、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。できるだけ配慮いたしますが、しばらくの間、温かく見守っていただけますと幸いです」といった内容を一筆書き、小さな菓子折りやタオルなどを添えてドアノブにかけておいたり、ポストに入れておくだけで、周囲の心象は劇的に変わります。
人は「正体不明の騒音」にはストレスを感じますが、「事情を知っている赤ちゃんの泣き声」なら、生活音として許容してくれることが多いものです。先手を打つことで、あなた自身の心の負担も軽くなりますよ。

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