無事に出産を終え、待望の赤ちゃんとの生活がスタート。幸せな気持ちでいっぱい…のはずなのに。
なぜか、夫の言動にいちいちイライラして爆発してしまう。
義両親からの「孫に会いたい」という連絡を見ると、動悸がするほどしんどい。
親しいはずの友人からの「お祝いに行かせて!」という言葉を、素直に喜べない。
そんな自分に対して、「私ってこんなに性格が悪かったっけ?」「みんなお祝いしてくれているのに、感謝しなきゃいけないのに」と自己嫌悪に陥っていませんか?
もし少しでも心当たりがあるなら、安心してください。それはあなたの性格が悪くなったわけでも、感謝の気持ちが足りないわけでもありません。すべては、産後特有のホルモンバランスの変化による「ガルガル期」のせいです。
動物の母親が、外敵から子供を守るために「ガルルル…」と威嚇して唸る様子に似ていることから、先輩ママたちの間でそう呼ばれるようになりました。
今日は、この自分ではどうしようもないイライラとの向き合い方と、心身ともに疲弊している時に周囲の「会いたい」攻撃から自分を守るための、角を立てない上手なかわし方についてお話しします。
「ガルガル」してしまうのは、命がけで守っている証拠
まず知っておいてほしいのは、産後のイライラや攻撃性は、あなたの意思や性格の問題ではなく、「急激なホルモン変化」と「防衛本能」による生理現象だということです。
出産という大仕事を終えると、それまで妊娠を維持するために大量に分泌されていた女性ホルモン(エストロゲンなど)が、ジェットコースターのように急降下します。これだけの変化が体内で起きていれば、情緒不安定になるのは当たり前のことです。
さらに、野生の動物と同じように、脳内で「このか弱い赤ちゃんを、何としてでも外敵から守らなきゃ!」という本能のスイッチが強烈に入ります。
その結果、以下のような反応が起きやすくなります。
- 少しでも衛生観念が違う人(手を洗わずに触ろうとする人、タバコの匂いがする人など)に対して、猛烈な拒否反応が出る。
- 自分のテリトリー(自宅や寝室)に他人が入ってくることに対して、強い警戒心を抱く。
- 夫の些細な行動(スマホを見ながらあやす、頼んだことをすぐやらないなど)が、敵対行為のように見えて許せなくなる。
つまり、「ガルガル」してしまうのは、あなたが**「お母さんとして命がけで赤ちゃんを守ろうとしている、愛情深い証拠」**なのです。
「私、今ガルガルしてるな。それだけ必死にこの子を守ってるんだな」と、まずは自分自身の頑張りを認めてあげてください。決して自分を責める必要はありません。
今は「外交」の時間じゃない。「療養」の時間
お祝いの気持ちは本当に嬉しいけれど、産後すぐの訪問対応は、ママにとって想像を絶する負担です。
来客があるとなれば、散らかった部屋を片付け、授乳しやすいパジャマから服に着替え、お化粧をし、お茶やお菓子を用意し、笑顔で会話を盛り上げる…。これは、交通事故で全治数ヶ月の怪我を負った人が、ベッドから起き上がって「接待」をするようなものです。
yonkaが大切にしてほしいのは、「ママの心身の回復を最優先にする」という考え方です。
「せっかく遠くから来てくれるのに悪い」「孫を見せないと親不孝かも」という気持ちは、少しだけ横に置いてみましょう。無理をして笑顔で対応した結果、疲れ果てて母乳が出なくなったり、夜中の赤ちゃんのお世話ができなくなったり、一番の協力者であるはずのパパに八つ当たりして夫婦仲が悪化してしまっては本末転倒です。
今は「外交」は一旦お休みして、赤ちゃんと二人三脚で生活リズムを作る「療養」に専念していい時期なのです。外部との接触を絶って巣ごもりすることは、今のあなたにとって必要な「治療」だと思ってください。
角を立てずに断る「魔法の言葉」とテクニック
とはいえ、義両親や親しい友人からの「会いたい」という申し出を断るのは、とても勇気がいりますよね。「断って嫌われたくない」「冷たいと思われたくない」と悩むのは当然です。
そこで、相手の厚意を無下にせず、かつ確実に訪問を断るための「魔法の言葉」とテクニックをご紹介します。
テクニック1:医師(助産師)を盾にする
これが最も効果的で、誰も反論できない最強の断り文句です。「私」の意思ではなく「権威ある第三者」の指示にすることで、相手も諦めざるを得ません。
- 「産後の肥立ちがあまり良くなくて、お医者さんから『しばらくは誰とも会わずに絶対安静にするように』と強く言われているんです。」
- 「助産師さんから、まだ赤ちゃんの抵抗力が弱いので、感染症予防のために来客は控えてもらうように指導されていて…。」
こう伝えれば、「それなら仕方ないね、お大事に」と納得してもらえます。嘘も方便です。自分と赤ちゃんを守るための「優しい嘘」はついても構いません。
テクニック2:夫を「壁」にする(義実家対策)
義実家への対応は、実の息子である夫に一任しましょう。あなたが直接断ると、どうしても角が立ちます。ここで夫に協力してもらう際に大切なのは、「妻が嫌がっている」と言わせないことです。
NGな伝え方:
❌ 「妻が疲れているから、来ないでほしいって言ってる」
(これではあなたが悪者になり、義実家との関係が悪化します)
OKな伝え方:
⭕ 「今は三人で生活リズムを作るのに必死で余裕がないんだ。落ち着いたらこちらから連絡するから、それまで待っていてほしい」
⭕ 「医者からも面会を制限するように言われてるから、俺の判断で断ってる」
夫が主体となって「今の自分たちには余裕がない」「僕たちが決めたこと」として伝えてもらうのがベストです。事前に夫としっかり打ち合わせをしておきましょう。
テクニック3:オンラインを提案する(友人対策)
友人には、会いたい気持ちを尊重しつつ、負担のない代替案を提示しましょう。
- 「まだスッピンパジャマ生活で、とても人に見せられる状態じゃなくて(笑)。もう少し落ち着いたら、ぜひテレビ電話で顔を見せてもいいかな?」
- 「ありがとう!気持ちだけ受け取っておくね。まだバタバタしてるから、落ち着いたら写真送るね!」
「会いたくない」のではなく「今のボロボロの状態を見られたくない(恥ずかしい)」というニュアンスで伝えると、相手も「分かる分かる!」と共感してくれやすく、関係を壊さずに時期をずらすことができます。
まとめ|「断る勇気」も母の愛
産後の今は、人生で一番わがままになっていい時期です。
周囲の期待に応えようと無理をすることと、あなたと赤ちゃんの穏やかな時間を守ること。天秤にかけたとき、どちらが大切かは言うまでもありません。
「ごめんなさい、今は無理です」とはっきり断る勇気を持つこと。
それもまた、赤ちゃんにとって一番大切な「ママの笑顔」を守るための、立派な母の愛です。
ガルガル期はずっとは続きません。
ホルモンバランスが落ち着き、夜の授乳リズムに慣れ、体力が回復してくれば、自然と「そろそろ誰かと話したいな」「可愛い我が子を見てほしいな」と思える日が必ず来ます。
その時が来るまで、今は心のシャッターを少し下ろして、カーテンを閉めて、赤ちゃんと二人だけの静かで濃密な時間を過ごしてくださいね。
よくある質問(Q&A)
Q. ガルガル期はいつまで続きますか?
A. 個人差がありますが、産後3ヶ月〜半年頃に落ち着くことが多いです。
産後すぐがピークで、ホルモンバランスが安定し、育児のペースが掴めてくると自然と和らいでいきます。また、生理が再開するとホルモン状態が妊娠前に戻るため、嘘のように落ち着くという声も多いです。永遠に続くわけではないので、「今はそういう時期なんだ」と割り切って、嵐が過ぎ去るのを待ちましょう。
Q. 夫へのイライラが止まらず、夫婦仲が悪くなりそうです。
A. 夫に「今はホルモンのせいで自分でも制御できない」と言葉で伝えましょう。
男性はホルモンの影響を体感できないため、あなたが黙って不機嫌でいると「何が気に入らないんだ」「俺だって頑張ってるのに」とすれ違いが生じます。「あなたのことが嫌いなわけじゃなくて、産後のホルモンの影響で、どうしてもイライラしてしまう。自分でも辛いから、少しの間、大目に見てほしい」と冷静な時に伝えておくことで、お互いに「これは一時的な病気のようなものだ」と客観視できるようになります。
Q. 義母がアポ無しで訪問してきます。どうすればいいですか?
A. 居留守を使うか、玄関先で「5分だけ」と時間を区切りましょう。
アポ無しの訪問には、対応する義務はありません。チャイムが鳴っても、授乳中や寝かしつけ中なら出られなくて当然です。もし出る場合は、絶対に家に上げず、チェーン越しや玄関先で「今、寝かしつけたばかりで起きちゃうので…すみません、また改めてこちらから連絡しますね!」と短時間で切り上げる強さを持ちましょう。一度入れてしまうと「いつでも来ていい」と思われてしまいます。
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