初めての妊娠。お腹の赤ちゃんが愛おしく、健やかに育ってほしいと願う気持ちから、万全の準備をしてあげたいと思うのは当然のことです。育児雑誌やSNSに掲載されている「出産準備リスト」を片手に、上から順にすべてのアイテムを揃えようと意気込んでいるかもしれませんね。
「もし足りなくて、産後に困ってしまったらどうしよう…」
「みんなが持っているものがないと、赤ちゃんが可哀想なのでは?」
その不安な気持ち、とてもよく分かります。しかし、多くの先輩ママたちが口を揃えて言うのは、出産準備において**「買いすぎ」は「足りない」ことよりも、後悔の原因になりやすい**という事実です。
なぜなら、赤ちゃんには一人ひとり個性があり、ご家庭の生活環境も千差万別だからです。「Aさんには必須アイテムでも、Bさんには全く不要だった」というケースが日常茶飯事に起こります。使われなかったベビーグッズが部屋のスペースを圧迫し、見るたびに「無駄な買い物をしてしまった…」と小さなストレスを感じてしまうことにもなりかねません。
今日は、多くの先輩ママが「これは産後に様子を見てからでよかった」「買わずに代用できた」と振り返る代表的なアイテムを具体的に挙げ、後悔しないための「引き算の準備」という考え方と、その判断基準を詳しくお伝えします。
先輩ママが「買わなくてもなんとかなった」アイテム実例
ここでは、「絶対に不要」というわけではありませんが、**「産前に焦って買わなくてもいい(産後の状況を見てから判断すればOK)」**な代表的アイテムを5つご紹介します。なぜ急がなくても良いのか、その理由と代替案もあわせて解説します。
1. ベビーベッド
出産準備の象徴とも言えるベビーベッド。しかし、これが「買わなくてよかったもの」の筆頭に挙げられることが非常に多いアイテムです。
最大の理由は「赤ちゃんが寝てくれない」問題。いわゆる「背中スイッチ」が敏感な赤ちゃんは、抱っこで寝かしつけてもベッドに置いた瞬間に起きてしまい、結局ママやパパの布団で添い寝になるケースが後を絶ちません。また、夜中の授乳のたびに親がベッドから起き上がり、赤ちゃんを抱き上げてまた戻すという動作が、想像以上に体力を消耗します。
結果として、高価なベビーベッドが「オムツや着替えの一時置き場」と化してしまうことも。まずはレンタルで数ヶ月試してみるか、最初から大人用のベッドの横にベビー布団を敷くスタイルを検討するのがおすすめです。物がないだけでお部屋が広くなり、育児中の閉塞感が驚くほど軽減されます。
2. 新生児サイズ(50cm)の服の大量買い
小さくて可愛い新生児服を見ると、ついつい何枚も買ってしまいたくなります。しかし、新生児期は赤ちゃんの成長が最も著しい時期。文字通り「あっという間」に過ぎ去ります。
3500gを超えて生まれた大きな赤ちゃんだと、生後2〜3週間でサイズアウトしてしまうことも珍しくありません。また、産院から退院祝いに服をもらったり、親戚や友人からお祝いにいただいたりするケースも多いです。
短肌着、コンビ肌着、カバーオールなどをそれぞれ最低限の枚数(各3〜4枚程度)だけ用意しておけば、洗濯が間に合わなくなることはまずありません。赤ちゃんの成長スピードや吐き戻しの頻度などを見ながら、必要に応じて買い足していくのが最も賢い方法です。焦って大量に買うと、タグも切らないままタンスの肥やしになってしまう可能性があります。
3. 専用のオムツ用ゴミ箱
「使用済みオムツの匂い問題」は確かに深刻です。そのため、専用カートリッジが必要な高機能のオムツ用ゴミ箱は非常に魅力的に見えます。
しかし、このタイプのゴミ箱は本体価格に加え、専用カートリッジのランニングコストが継続的にかかります。また、ゴミ箱自体の掃除が意外と面倒だったり、カートリッジが切れた時にすぐに手に入らなかったりするデメリットもあります。
多くのママが、「蓋付きの普通のゴミ箱」と「BOSなどの高性能な防臭袋」の組み合わせで十分だったと感じています。防臭袋は100円ショップで手に入るものや、食パンの空き袋などでも代用が効きます。まずは家にあるゴミ箱で試してみて、どうしても匂いが気になる場合に改めて専用ゴミ箱を検討する、というステップでも全く遅くありません。
4. ベビーバス(プラスチックの大きなタイプ)
新生児の沐浴期間(約1ヶ月)にしか使わないベビーバス。特に、しっかりとした作りの大きなプラスチック製タイプは、使用期間が短い割に保管場所に困る代表格です。
沐浴期間が終わった後、クローゼットやベランダの隅で大きな邪魔者になってしまうことが多いのです。解決策としては、空気で膨らませるビニールタイプ(使用後は空気を抜いて小さく収納できる)、キッチンのシンクや洗面台にはめ込んで使えるタイプ、あるいは衣装ケースや大きめの洗い桶で代用するなど、「捨てやすさ」「片付けやすさ」を優先して選ぶのがポイントです。最近では、床に直接置いて使えるマットタイプのものもあります。
5. 搾乳機
母乳育児を考えているママにとって、搾乳機は必須アイテムのように思えるかもしれません。しかし、「母乳がどれくらい出るか」「赤ちゃんが上手に吸ってくれるか」は、実際に産んでみないと誰にも分かりません。
母乳の出が良すぎて胸が張ってしまう場合、赤ちゃんが直接吸うのを嫌がる場合、ママが仕事復帰を考えている場合など、搾乳機が必要になる理由は様々です。しかし、逆に母乳の出が思ったより少なく完全ミルクになったり、トラブルなく直接授乳だけでうまくいったりするケースもあります。
高価な電動搾乳機を事前に購入したものの、一度も使わなかったという声も少なくありません。必要になってから、ネット通販や近所のドラッグストアですぐに手に入りますし、産院で貸し出してくれる場合もあります。まずは手動の安価なタイプから試すという手もありますので、焦って購入する必要はないでしょう。
「代用できる」を知ると、準備はもっと身軽になる
「赤ちゃんには赤ちゃん専用のものを使わなければいけない」という思い込みを一度手放してみると、出産準備はもっと身軽で、経済的になります。家の中を見渡せば、代用できるものは意外とたくさんあるものです。
- おくるみ → 大判のバスタオルや、肌触りの良いガーゼケットで代用可
新生児を包むおくるみは、安心感を与えるのに役立ちます。しかし、専用品でなくても、清潔な大判のバスタオルで十分にその役割を果たせます。 - 授乳クッション → 家にあるクッションや丸めた座布団、枕で代用可
授乳時のママの腕や腰の負担を軽減してくれますが、これも必須ではありません。家にあるクッションをいくつか重ねたり、枕を折り曲げたりして高さを調整すれば、快適なポジションを見つけられます。 - オムツ替えシート → ペットシーツやレジャーシート、バスタオルで代用可
外出先でのオムツ替えに便利ですが、使い捨てで衛生的なペットシーツは非常に優秀な代用品です。汚れたら気兼ねなく捨てられますし、薄くて持ち運びも楽です。家ではバスタオルを敷けば十分です。
「専用品」は確かに便利に設計されていますが、物が増えれば管理の手間も増えます。**「まずは家にあるものでやってみて、どうしても不便なら買う」**というスタンスが、ミニマルで快適な育児環境を保つ秘訣です。
買うかどうか迷った時の「yonka流・判断ルール」
ベビー用品店やオンラインストアで、デザインの可愛いベビーグッズを見ると、ついつい「これも必要かも」とカートに入れたくなってしまいますよね。そんな時は、衝動買いを防ぐために、以下の2つのルールで一度自分に問いかけてみてください。
ルール①:退院した「その日」に絶対使うか?
この質問に「YES」と答えられるものだけが、産前に必ず準備すべきものです。
例えば、「肌着」「オムツ」「おしりふき」、そして車で退院するなら「チャイルドシート」。これらは退院したその日から必要不可欠です。しかし、「ベビーカー」「離乳食用の食器」「おもちゃ」などはどうでしょうか?これらは明らかに「NO」です。
「あると便利かも」「1ヶ月後くらいに使うかも」「もしかしたら必要になるかも」というアイテムは、すべて「保留リスト」に入れておきましょう。スマホのメモ機能などにリストアップしておくだけで、気持ちは落ち着きます。
ルール②:夜中にAmazonでポチれるか?
現代の日本の物流システムは、世界でもトップクラスに優秀です。多くのオンラインストアでは、注文した翌日か、遅くとも翌々日には商品が自宅に届きます。
「産後に〇〇が足りなくて困った!」となっても、深夜に授乳しながらスマートフォンで注文すれば、すぐに問題は解決します。この**「困ってから買う」スピード感でも、日本の育児環境なら十分に間に合う**のです。この事実を知っているだけで、事前の準備に対する過剰な不安は大きく軽減されるはずです。
まとめ|物を減らすことは、心の余裕を増やすこと
出産準備において一番大切なのは、ベビーグッズを完璧にリスト通り揃えることではありません。それよりも、ママ自身が「これなら大丈夫」と安心して出産に臨める心の状態を作り、産後の生活スペースを快適に保つことです。
物が少なければ、部屋は広く使え、掃除も楽になります。探し物をする時間も減り、その分、赤ちゃんとの時間や自分の休息時間を増やすことができます。「足りなければ、その時買えばいい」と、どっしりと構える余裕を持つこと。それが、スマートな出産準備のゴールです。
これから始まる赤ちゃんとの新しい生活を、スッキリとしたお部屋と、ゆとりのある心でスタートさせてくださいね。
よくある質問(Q&A)
Q. 準備が足りなくて、産後パニックになりませんか?
A. 「スマートフォン」と「クレジットカード(あるいはそれに準ずる決済手段)」があれば、まず大丈夫です。現代において、最強の育児グッズはスマートフォンと言っても過言ではありません。必要な情報はすぐに検索できますし、本当に必要なものはネット通販ですぐに届きます。パートナーや家族に頼んで買ってきてもらうこともできます。「物」の準備不足は、今の時代、驚くほど簡単にリカバリーできますので、安心してください。
Q. 里帰り出産ですが、実家の母が「孫のために」とあれこれ買いたがります。どうすればいいですか?
A. お孫さんのために何かしてあげたいというお気持ちは、とてもありがたいことですね。その気持ちを無下に断るのは心苦しいものです。こういう場合は、断るのではなく、リクエストする方向で誘導するのが円満の秘訣です。ベビーベッドやベビーカーなどの大きな家具や好みが分かれるものは丁重にお断りしつつ、「消耗品」か「少し大きくなってから長く使えるもの」をお願いしてみましょう。「質が良いけど自分ではなかなか買えない高級な紙オムツ」や「いくらあっても困らないおしりふき」、あるいは「長く楽しめる絵本」や「知育玩具」などをおねだりすれば、お母様も喜んで協力してくれるでしょう。
Q. レンタルと購入、どう使い分けるべきですか?
A. 明確な基準は**「使用期間が短い」かつ「場所を取るもの」はレンタルが正解**です。具体的には、ベビーベッド、ベビースケール(体重計)、A型ベビーカーなどがこれに該当します。これらのアイテムは、赤ちゃんによっては全く使わなかったり、体に合わなかったりする「当たり外れ」がある上、使わなくなった後の保管や処分の手間が非常にかかります。まずはレンタルで数ヶ月試してみて、赤ちゃんの反応や生活スタイルに合うと確信できたら購入を検討するのが最も賢い選択です。逆に、抱っこ紐やチャイルドシートのように安全性が重要で、比較的長く使うものは、実際に試着・試用して、自分の体や車に合ったものを購入することをおすすめします。
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