待ちに待った運動会や発表会。我が子の成長した姿を見られると胸を躍らせていたのに、いざ本番になると、その期待は不安に変わってしまうことがあります。周りの子たちが元気に踊り、一生懸命走っている中で、我が子だけが立ち尽くしていたり、列から外れてしまったり。
「家ではあんなに上手にできていたのに、どうして?」
「周りの目が恥ずかしい…」
そんな気持ちになり、落ち込んでしまうのはあなただけではありません。園行事で他の子と比べてしまい、辛いと感じる保護者の方はとても多いのです。
この記事では、園行事で「うちの子だけできない」と感じてしまうその苦しい気持ちの正体と、そこから抜け出すための考え方のヒントをお伝えします。今日のこの経験が、子どもの価値を決めるものでは決してないこと、そして、その場に立てたこと自体が素晴らしい挑戦であったことを、一緒に確認していきましょう。
なぜ?発表会で棒立ち、運動会に参加しない…胸が苦しくなる理由
楽しみにしていたはずの園行事が、親にとって辛い時間になってしまうのはなぜでしょうか。その根底には、いくつかの心理的な要因が隠されています。
「できた・できない」という大人の物差し
音楽が流れても、ただ一人ステージで固まってしまう。かけっこのスタートラインに立っても、走り出さずに砂遊びを始めてしまう。そんな我が子の姿を見ると、親としては「ちゃんとやってほしい」「練習通りにやってほしい」と願ってしまいます。これは、行事という特別な場において、「できること」が正解で、「できないこと」が不正解だという無意識の物差しを当てはめてしまっているからです。しかし、その物差しは、あくまで大人の基準に過ぎません。
「保育園 行事 比較 辛い」と感じる、横並びの世界
園行事は、子どもたちが同じ衣装を着て、同じ振り付けで踊り、同じルールで競争するという、いわば「横並び」の世界です。だからこそ、他の子との違いが普段よりも際立って見えてしまいます。「あの子は上手に踊っているのに」「みんな走っているのに」と、どうしても比べてしまいがちです。その比較こそが、「うちの子だけができていない」という孤独感や劣等感を生み出し、親の心を苦しめる最大の原因なのです。
「恥ずかしい」と感じてしまう、他者の視線への不安
運動会で参加しない我が子を見て、「しつけがなっていないと思われているのではないか」「先生に申し訳ない」と感じてしまうことはありませんか?これは、我が子の行動が、そのまま親である自分の評価に繋がっているかのように感じてしまうからです。しかし、周りの親はあなたが思うほど、あなたの子どもを評価しているわけではありません。大抵の場合、自分の子どもの姿を追うのに必死なのです。
主役は誰?行事の本当の意味を問い直す
苦しい気持ちから抜け出すために、一度立ち止まって考えてみましょう。そもそも、この園行事の主役は一体誰なのでしょうか。
それは、親の見栄や期待を満たすための場ではありません。「うちの子はこんなに立派にできました」と誰かに報告するための発表会でもないはずです。
主役は、他の誰でもなく、あなたの子ども自身です。
大勢の知らない大人たちに見つめられ、いつもとは全く違う音楽や雰囲気に包まれる。その非日常的な環境に身を置くこと自体が、子どもにとってはとてつもなく大きな挑戦です。大人から見れば「ただ立っているだけ」に見えても、子どもの心の中では、緊張や不安、恐怖といった様々な感情が渦巻き、その場から逃げ出さずに踏みとどまるだけで精一杯なのかもしれません。それは「失敗」ではなく、子どもなりの勇気ある「挑戦」なのです。
比較の罠から抜け出し、我が子の「今」を見る勇気
「あの子はできるのに、どうしてうちの子は…」その比較の言葉が頭をよぎった瞬間、あなたの心は苦しくなります。でも、少し視点を変えてみてください。あなたは今日、我が子の「できない瞬間」だけを切り取って見てはいませんか?
園行事という特別な数分間だけが、その子の全てではありません。家に帰ればにっこりと笑い、あなたに甘え、昨日までできなかったことが今日できるようになっている。子どもの成長は、一本の線のようにまっすぐ続くものではなく、行ったり来たりを繰り返しながら、その子自身のペースで確かに進んでいます。
大切なのは、「完璧にできること」を目指すのではなく、ハードルをぐっと下げる勇気です。「最後まで踊れたら満点」ではなく、「その場に立てただけで100点満点」と、基準を自分の中で変えてみましょう。
そうすると、見える景色が全く変わってくるはずです。
- 棒立ちだったけど、最後までステージの上にいられたね。
- 走れなかったけど、泣かずにみんなの応援ができたね。
- 衣装を着るのを嫌がらなかったね。
これら全てが、その子の確かな成長の一歩です。
今日の帰り道、子どもとあなた自身に伝えたいこと
行事が終わったら、どうか子どもをぎゅっと抱きしめて、こう伝えてあげてください。
「よく頑張ったね」
「できた・できない」の結果を評価するのではなく、その大きな挑戦に立ち向かった勇気を、そのまま認めてあげるのです。その一言が、子どもの自己肯定感を育み、「またやってみよう」という次へのエネルギーに繋がります。
そして、同じ言葉をあなた自身にもかけてあげてください。「よく頑張ったね」と。朝早くから準備をし、期待と不安の中で我が子を見守り、心を揺さぶられたあなたも、本当に頑張りました。
園行事は、子どもの優劣を決める成績表ではありません。発表会で上手に踊れなくても、運動会で一番になれなくても、その子の価値は1ミリも揺らがないのです。
主役は、あなたの目の前にいる、たった一人の愛しい我が子です。その子が今日、その場に立っていた。それだけで、本当は100点満点。どうか胸を張って、その素晴らしい挑戦を讃えてあげてください。今日も、本当にお疲れさまでした。
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